

●アルバム「ドンキ行くけどなんかいる?」について
初期衝動で作った1stとは打って変わって今作はリアル3区にとって勝負に出たアルバム。2014年の12月に亀ちゃんが加入してからみんな探り探り、最初はいろんなこと試したりしてたんだけど何度もライブを重ねたり1stのリリースを越えてようやく「ハードコアガールポップバンド」リアル3区とは、というのを自分たちの中でちゃんと確立できた。3人が3人とも自分の居場所を見つけて、リアル3区をより愛した上で臨んだ2作目。CDたくさん売れてもっともっと多くの人にリアル3区の音楽が届いてほしいという気持ちが強く込もってる。 2nd作ると決めたとき、どの曲を収録するかすごく悩んだ。けど、いわゆるアルバム曲みたいな曲は入れずに全部がシングルカット、全部がリード曲になるものを収録しました。テーマ、詞曲、アレンジ全てにおいて納得したものしか入れてない。そして、さらに強度を増すため書き下ろしたのが「ヒトミートペット」。これで最強になったと思ってる! また、リアル3区が今まで書けなかったバンド史上初となるラブソング「ドンキ行くけどなんかいる?」も作り、完全に攻めの1枚となってます


●「ドンキ行くけどなんかいる?」セルフライナーノーツ
「ドンキ行くけどなんかいる?」ドンキ行くとき絶対言うでしょ? カーテンも冷蔵庫もない部屋、見切り発車で一人暮らし始めたときにまず最初にドンキに買い物に行った。ドンキでだいたいなんでも揃うと思ってたんだと思う。 でもけっきょく買って帰ってきたのはよくわからないキッチン便利グッズとか、それいつ使うの?っていう発光するへんなパーティグッズやでっかいお菓子。さいのはてには、いつかヤンキーの彼氏ができたときにお揃いで着ようと思って買った上下スウェット2サイズ。 埼玉県在住の女友達が泊まりに来たとき「はい、寝巻き!」って真っさらなグレーのスウェットを(買った理由を述べた上で)差し出したときの「ゆめ頭大丈夫か?」って顔は今でも忘れない。 「ドンキ行くけどなんかいる?」って曲を書こうと決めたときから、これはラブソング以外ありえないって思ってた。彼氏と手つないで歩いて、すれ違う女子全員キッと睨みつけるくらい嫉妬深くて愛情深くて世界で一番彼氏が好きっていうキュートなヤンキー女子の切ない恋心をテーマに書いたよ。毎日好きって言ってほしい、不安になんてさせないで。ねえ私の


●「ヒトミートペット」セルフライナーノーツ
実は今回収録曲の中で一番強い思いを込めて書いた曲でアレンジもメロディラインもすごくお気に入り。ミートは肉の「meat」であってボーイミーツガール的な「meet」ではないのです。 日本では年間10万頭以上の犬猫が殺処分されてるんだって。信じられないし許せない。お迎えした命、最後まで守ってあげてほしい。かわいいかわいいだけじゃダメなの、骨まで愛してあげて。 動物愛護の気持ちや食物連鎖を思うジレンマを歌ったつもりです。人も家畜もペットも同じ星に生きてみんながみんなそれぞれのビートを刻んでる。近い将来日本はペット殺処分ゼロの国にならなきゃいけない。 「人・ミート・ペットで踏める!」そんな思い付きから作り始めた曲です。 ゆめ ────────── ちょうどこの曲をゆめから渡されたくらいのときに楽天ポイントが貯まっていて和牛直送! 切り落とし1キロ!みたいなのでポイント消化して、日々キーコ飯(毎朝作る丼ものの名称)にしていたんだよね。 あと同時期に興味深い話を聞いて、和牛は高いけどストレスが溜まっていて、オーストラリアやアメリカの牛は広いところで育ってストレ


●「FISH or BEEF?」セルフライナーノーツ
私が「ヒトミートペットって曲書こうかな」って話してたらキーコが、「じゃあ私はフィッシュオアビーフって曲書く!」って言い出した。あの質問愚問だよね? 100歩譲ってビーフオアチキンだろって2人で朝まで笑いながら呑んでたらその翌日にデモがあがってきた。あれ本気で言ってたんだ!と思って聴いてみたら歌詞もアレンジもどストレート! なにか心に刺さるものがあった。 キーコの書く魂の叫び系の曲ってやっぱり強いんだよなあ(1stで言うところの「大家さん」や「住民税が私を殺す」系)。 急に転調して亀ちゃんがメインで歌う「肉を食べた〜」ってパートからガイド無しでまたAメロに戻って私が歌うところ、最初は本当に苦労した……。私は絶対音感とかないからこのパートは千本ノック、体に覚えさせるんだよ!といったかなり体育会系な練習をした。今となっては亀ちゃんが歌ってるときに、小さい頃お父さんが競馬で勝った週末は家族みんなで焼き肉連れてってもらったなーって思い出を浮かべる余裕を持ちながら飛行機上にサッと戻れるくらいには歌えるようになっていると思う。 ライブでキーコとふたりでサビの部


●「ゴーストタウン」セルフライナーノーツ
1stミニアルバム「住民税が私を殺す」のレコーディングはリアル3区のサウンドプロデューサー鏑木さんのプライベートスタジオで録ってたんだけど、そこは都心からちょっと離れたベッドタウンだったの。初めて行ったとき、駅の何口から出るか聞くの忘れちゃってて、でもスタジオから近い出口から出れたみたいでラッキーと思ってたんだけど、何度来ても迷わないんだよね。不思議だなと思ってたら駅の出口はひとつしかなかった。 だからこの曲は私の歌詞もキーコのラップも実体験に基づく心情・情景描写。「ラップ書いて」ってキーコにデモ投げたら「書きたいが止まらない!」って言って、危うくラップパートが10分超えするところだったよ。 今ふと振り返ってみて気付いたことなんだけど、ゴーストタウン辺りから私の曲の作り方が変わってきたと思う。リアル3区っぽいメロディにしようって変に気張らなくなって、前作よりもより自由に書いてるなあ。メンバーとサウンドプロデューサーへの信頼度からかしら。ふふふ。ちゃんとリアル3区になってる。バンドって楽しいね。 ゆめ ────────── 1stミニアルバムのレコ


●「サマーラブ」セルフライナーノーツ
私、夏がとても苦手で夏らしいことなんて何もしないでエアコンの効いた部屋の中で夏が終わるのをひっそりと待つタイプ。海なんてもう何年も行ってないよ。でも、夏だー! 海だー!っていうキラキラした感じのやつをやってみたい気持ちはあるんだよね。そう、だからこれは“もしもの話”なのです。 1番も2番もAメロの歌詞はとにかく踏んで踏んで言葉遊び的な要素強めで書いたんだけど、全部がぴったりはまって、書きながら踊り出したい気持ちになったくらい小気味よく仕上がったと思ってる。「完全武装のファイティングルージュ ランキング1位のウォータープルーフ」やっぱり海メイクといったら水に強いこのふたつはマストでしょ! ただ、この曲すごく綺麗にまとまっちゃったから全然リアル3区っぽくなくて困ってた。そこで、キーコの登場。今回はキーコラップで全てぶち壊してくれって頼んだよ。そしたら「それはそれとして〜」って切り込んできて笑っちゃった。最高か! 夏のデイドリーム、それが私たちなりのサマーラブ。みなさんどんな夏をお過ごしですか? 「サマーラブ」ってタイトルでRIP SLYMEみたいな曲


●「決まり手ラップ」セルフライナーノーツ
相撲が好きすぎて書いた曲。アイリッシュアレンジがちょーカッコよくてイントロからグッと引き込まれる。大相撲の応援ソングとして公式認定してもらって、角界一の歌うまで知られる勢関に歌ってもらうのが夢です。 決まり手の中でも一番好きなのが「うっちゃり」、次いで「つり出し」。決まり手とかをひたすら連呼するだけの曲なんだけど、なんとなく流れがあるんだよ。あ、今気付いたんだけど「がっぷり」って歌詞2回出てきてるや。がっぷりよつってグッとくるよね。いい響き。 2分ちょっとの短い曲なんだけど、今回収録曲の中で一番ボーカルレコーディングに苦戦した曲でもあります。言葉数多くて口回らないしメロディもめちゃくちゃ難しい。誰だよこんな曲作ったやつ! 歌えるか!って言って泣きながらレコーディングしました。 この曲は大相撲本場所が開催される奇数月にしかライブでやらないと決めているので「決まり手ラップ観たいよ」って人は気をつけてね。 ゆめ ────────── ゆめと出会って本当に間もない頃のこと。「相撲が本当に好きで……」とお互い酔っ払っている中ゆめが確かに言った。え? 相撲?